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「舞田山開発工事阻止運動のその後」
2008/11/27 高橋 正子
塩田平も季節が移り、ここから見渡せる菅平、浅間山、美ヶ原等周りの山々は白く雪を頂き、いよいよ冬到来です。  
美しい里山だった舞田山の廃棄物処理業者(正確には古物商)の開発工事阻止運動に皆様が関心を寄せてくださいましてありがとうございます。

舞田の鎮守様、塩野入神社の裏山でこのような大掛かりな開発工事が進められていることを知らない舞田区民が多く、最も隣接する6班(舞田自治会は6つの班に分かれている)の住民が舞田全体の問題として取り組んでもらおうと、直ちに臨時総会を開く署名運動をして、半数以上の(自治会規約では1/3以上の署名で30日以内に開催)署名を集めたにも拘らず自治会長が受け取りを拒否、内容証明書付きで郵送するという事態になりました。 
それでもやっと重い腰をあげた自治会執行部から6班の住民に対し(それも今運動の中心になっている6班各戸1名という条件付きで)業者、市役所出席の説明会を開くとの通達がありました。
この条件付きの説明会には納得出来ないということで、署名いただいた方にも出席の門戸を開くよう要求するビラを各戸に配り、昨日やっとその説明会が開催されました。
100名近い出席だったでしょうか。初めて、事の全容を知ったという人も沢山いたようです。
説明会は運動メンバーの事前の緻密?且つ巧妙?な作戦打ち合わせ通り(施主、業者を相手にせず、役所をターゲットに質問攻めにする)に進みました。
自治会執行部は進行役の自治会長以外は誰も一言も発せず、まずまずこちらの思惑通り成功利に終わりました。
それでもこれはまだ住民皆に関心を持ってもらう最初の突破口に過ぎません。
多分30日以内に開催される筈の臨時総会で舞田全体の住民運動としてどれだけ盛り上げられるか、これからが正念場といえます。
舞田山が開発されるに至った経緯は古く夫の父親が自治会長を務めた30年以上も前に遡るようです。
ここに本州大学を誘致するということで父親もいろいろ奔走し、舞田の地主も二足三文で土地を提供したりしたにも拘らず、本州大学(どんな大学じゃ!)がつぶれて、土地が宅地開発業者に渡り、その後のバブル崩壊でこの業者もつぶれ、売れ残りの土地が競売にかけられて、今回の古物商(中国残留孤児の3世で中国国籍)の手に渡りました。
そして近隣になんの説明もないまま木が切り倒され、一番近い家からは6mほどしか離れていない15m以上の崖の上に大きな重機が入り土を削ったり盛ったりが始ったようです。
その後すぐ隣地境界の立ち会いがあるとの情報で、近隣住民15名ほどが状況を知りたくて現場に押し掛けました。
そこで、自治会長が お前らは呼んでない と激怒し、執行部の連中に俺たちがやってんだ任せておけ と追い返されたようです。
ところがその後も工事は続行され、舞田の自治会長は どっちの味方なんだ という怒りが爆発し、6班の有志が相談にみえたことが関わりの始りです。
このように書きながら義父の代から始るこの皮肉な巡り合わせに思わずおかしさがこみ上げてきます。

この塩田平は年間の降水量が極端に少ない地域です。その為沢山の溜め池が点在します。
人々は命の綱の水を求め、昔から水神様をお祀りし雨乞いの儀式も盛んだったようです。
その舞田の水神様が現在、旧東ドイツの西ベルリンのような状態で売られた土地の中にぽつんとあります。
説明会に臨む事前の打ち合わせでは発言の中で中国人とゴミという差別用語ともとれる言葉は絶対使わないことと申し合わせていたにも拘らず、興奮した発言者がうっかり 水神様を拝むのにゴミの山に向って手を合わせるのか
と言ってしまったり、また事前打ち合わせのなかった出席者が 中国人 を連発してヒヤリとする場面もありました。
またゴミと中国人発言に興奮した古物商が今度は金(かね)金(かね)を連発して、中国の人と日本人の価値観、モラルの隔たりも強く感じました。
後で夫が先日の勉強会での谷口氏のお話が納得出来る場面だったとも申しておりました。

舞田の自治会員も新しく来た方が半数近くを占めるようになりました。
しかし、昔から何代にも渡りここに根座し、農業を営んできた(といっても現在専業農家は1軒だけ)保守的な古い住民は自治会の決定権を持つ会長や執行部の役職に新しい住民(高学歴、公務員、きちんとした企業のサラリーマン、自営業、芸術家などここの里山が気に入って土地買って入ってきた人達)をつけたがらず、また新しい人達もなんとなく遠慮して生活しているという、田舎ではよくある構図がここにも根強くありました。
その新旧の確執もこの問題をきっかけに吹き出したようなところがあります。
この活動の目標とするところは古物商がここを諦めて、山を元の状態に戻して欲しいということですが、これはちょっと無理でしょうね。
この場所はなんの規制もない指定なしの山林で所有者はこの法律で守られていますので、基本的にはここでなにをやってもいいのです。
住民運動を盛り上げ、役所に圧力をかけて条件闘争にしていく方法しかないようにも思えます。
役所は最終的には強い方に味方することになるようですので。
私達家族の間では小さなナショナルトラスト運動のようなかたちで、せめて水神様の周りの土地だけでも買い戻したらどうかという話しもでています。
古物商は3000坪を400万円で落札したと聞いています。
ただ、逆に所有者の古物商から訴訟を起こされた場合の対策も早急に考えておかなくてはなりません。
この後、もう既に臨時総会の召集までの期限が3週間ちょっとに迫っていますので、こちらの作戦会議も始めなければならないようですが、私共も他の方々同様仕事を持ちながらの活動でなかなか大変です。
以上、つたない文章で正確にお伝えすることができましたかどうか...、一応、筆無精?の夫に変わりまして経過報告させていただきました。                            
皆様からアドバイスナど頂けましたら幸いでございます。
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