鈴木俊彦氏が 「ガザに連帯・・・」の問題提起を投稿してくれている。
氏の文章の中で、「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経……」ユダヤ教徒が殺害したイスラム教徒を法華経で供養する、こうした日本的宗教風景が好きだ。」というのが心に残った。私も又そう思う。
このような度量の広さがアラブ社会にあれば、アラブというか、イスラムの問題はもう少し簡単に納まっているのかも知れない。
鈴木氏は 「イスラエルはハマスを侵攻の理由に挙げている。しかしそのハマスはイスラエル自身が作り出したものだ。先住者を暴力で支配し、その生活と文化を破壊して新しい国を作る−この過程がハマスを生んだ。「かつてあなた達にナチスがしたことを、今あなた達がしている!!」
と言っているが、これは微妙に異なっている様に思える。
そもそも、アラブの問題は過去を遡れば、2000年の歴史があり、イスラム教徒とキリスト教徒との戦いであり、その中にユダヤ人の2000年の流浪の歴史があり、十字軍の時代より連綿と続いたローマを含めた西欧諸国対アラブの問題であった訳である。日本人的に言えばそれはさて置き・・・・と言いつつ、現在の問題のみを分けて語れるのであろうが、彼らの場合、過去からの歴史が怨念となってしみついており、原因と結果が輻輳し合い、絡み合っている。その上西欧諸国としては、第2次世界大戦でのドイツのユダヤ人虐殺に対する西欧諸国の対応のまずさに対する反省がある。それ故に、1947年に西欧諸国とアメリカ等が率先し、国連としてユダヤ人の祖国建設をパレスチナに認めた訳である。
従って、イスラエルが「先住者を暴力で支配し、その生活と文化を破壊して新しい国を作った」のではなく、又彼らだけが悪かった訳ではない。それを言うなら、国連の責任を言わざるを得ず、それ以前にユダヤ人2000年の流浪の歴史の責任は誰にあるかという問題をも言わなくてはならない。そしてその当時の歴史を妥当とするなら、現在の双方の戦争行為も又善しとせざるを得なくなる。そしてそれは何の解決にもならない。
勿論、47年当時、パレスチナ地域に居住していた人達に対してみれば、国連が勝手に決め自分達を追い出したのであるから、その様な措置に反対する、反イスラエルの思いは理解出来るが、それは国連がキチンと対応すべきであった筈である。然るに、建国を始めたイスラエルに周辺の5カ国が武力侵攻して、第1次中東戦争となり、結果として逆に負けたわけである。にもかかわらず、その後も反イスラエルとしてテロ攻撃をしているのが今回のパレスチナ問題である。従って極く最近の歴史的事実に対する論理的解析だけを言うなら、イスラエルのパレスチナテロ組織に対する攻撃は自国民の安全の確保と言う観点からは、正しいと言うことになる。
鈴木氏は「「棄民政策」が生んだイスラエル。そのイスラエルが棄てようとするパレスチナの民。」と言っているが、これも実体は少し異なる様に思える。
そもそも周辺の5カ国の武力侵攻が無ければ、そして彼らがイスラエルの生存権を認め、共存できる余地があったのであれば、この様な無益の争いは無かった可能性があり、又、今でも戦争の停止が簡単に出来る筈である。イスラエルもパレスチナの民を棄てようとはしていない。しかし、ハマスがイスラエルの抹殺を宣言して、攻撃を継続している以上、イスラエルも戦争状態を継続せざるを得ないのは明らかである。
私は戦争そのものに反対であるし、即時停戦を働きかけるべきと思うが、ハマスがイスラエルの抹殺宣言を破棄しない以上、現状での戦争停止は解決には結びつかないと思うのだが、諸氏はどの様にお考えであろうか。